中華ゲーム機(Retroid Pocket・AYN Odin・Anbernic RG35XX H・Miyoo Mini Plus など)を買ったあと、本体以外に必ず要るのは「microSDカード」「持ち運ぶためのケース」「本体に合ったUSB-C充電器」の3つだけです。保護フィルム・OTGハブ・予備バッテリーは「使い方によっては要る」もので、全員に必要なわけではありません。
アクセサリ選びで失敗する原因は、だいたい2つに絞れます。①本体が対応していない規格のものを買う(例:microSDの容量上限、充電器のワット数)②本体の実寸を測らずにケースを買う。この記事では、機種を横断して「必須/あると快適/不要」を仕分けしたうえで、この2つの失敗を避けるための具体的な確認手順をまとめます。
どの本体を買うか自体をまだ決めていない場合は、先に本体の比較記事を読んでから戻ってきてください。

結論:まず買うのはmicroSD・ケース・充電器の3つ

結論から言うと、購入直後に用意すべきものは次の3つです。それ以外は「あとから必要になったら買う」で間に合います。
| 優先度 | アイテム | 理由 | 目安予算 |
|---|---|---|---|
| 必須 | microSDカード | 付属カードは容量・速度とも不足しがち。増設前提の機種が多い | 2,000〜5,000円 |
| 必須 | ケース/ポーチ | スティックとスクリーンの破損原因が「カバンの中で潰れる」に集中する | 1,500〜4,000円 |
| 必須 | USB-C充電器 | 本体に充電器が同梱されない機種が多く、ワット数が足りないと充電が終わらない | 2,000〜5,000円 |
| あると快適 | 保護フィルム | タッチ操作する機種・持ち歩く機種では効果あり。据え置き運用なら不要 | 1,000〜2,000円 |
| あると快適 | USB-C OTGハブ | 外部モニター出力・USBコントローラー・USBメモリを使う人だけ | 2,000〜6,000円 |
| 状況次第 | モバイルバッテリー | すでに持っているならそれで足りる。専用品を買う必要はない | — |
| 不要 | 「ゲーム入り」microSD | ROMの合法性が担保されない。自分で吸い出した手持ちソフトを使う | — |
この記事は、Retroid Pocket 5/AYN Odin 2 のようなAndroid搭載の高性能機と、Anbernic RG35XX H/Miyoo Mini Plus のようなLinux搭載の軽量機の両方を対象にしています。この2グループは必要なアクセサリの中身がかなり違うので、以下では都度分けて書きます。
なお、この記事で紹介する遊び方は自分が所有している実機・実ソフトから吸い出したデータを、自分の端末で動かすことが前提です。ROMの配布サイトからのダウンロードは扱いません。
microSDカード:容量・A2・「本体側の対応」の3点で決まる

中華ゲーム機で最初に買うべきはmicroSDカードです。理由は単純で、付属カードはたいてい容量が小さく、書き込み速度も遅いからです。Miyoo Mini Plus や Anbernic RG35XX H のように「本体ストレージを持たず、microSDが本体そのもの」という構成の機種では、カードの質がそのまま体感速度になります。
容量:機種グループごとの目安
- Linux軽量機(Miyoo Mini Plus / RG35XX H など):64GB〜128GBで十分。 動かすのはファミコン〜プレイステーション世代が中心で、1タイトルあたりの容量が小さいためです。
- Android高性能機(Retroid Pocket 5 / Odin 2 など):256GB〜512GBを推奨。 PS2・ゲームキューブ世代のイメージは1本あたり数GBになるうえ、Androidアプリ本体も入ります。Retroid Pocket 5 は本体に128GBのUFS 3.1ストレージを持ちますが、それでもすぐ埋まります。
買う前に必ず本体の対応上限を確認してください。 古い機種や廉価機では 512GB や 1TB のカードを認識しない、あるいはフォーマット形式によって認識しないことがあります。Anbernic RG35XX H は microSDスロットを2基備えており、1枚目をシステム、2枚目をデータ用に分けられます。この構成の機種では「2枚目だけ大容量にする」という買い方もできます。
A1/A2表記の意味を正しく理解する
パッケージの「A1」「A2」はSDアソシエーションが定めたアプリケーションパフォーマンスクラスで、ランダムアクセス性能の最低ラインを示すものです。具体的な数値は次のとおりです。
| クラス | ランダムリード(最低) | ランダムライト(最低) | 持続書き込み(最低) |
|---|---|---|---|
| A1 | 1,500 IOPS | 500 IOPS | 10MB/s |
| A2 | 4,000 IOPS | 2,000 IOPS | 10MB/s |
ここで注意したいのは、A2の高い数値はコマンドキューイングとキャッシュ機能を前提にしているという点です。これらの機能はホスト側(本体)が対応していないと働きません。対応していない機器では、A2カードを挿してもA1と体感が変わらない、あるいは条件によってはA1より遅くなる報告もあります。
つまり、Androidを積んだ高性能機ではA2を選ぶ意味がある一方、Linux軽量機ではA1で十分という判断になります。差額を出してA2を買うなら、その分を容量に回したほうが体感は良くなるケースが多いです。
速度クラスの読み方や、実際にどのカードを選ぶかは別記事で詳しく扱っています。

ケース/ポーチ:カタログではなく「実寸」で選ぶ

ケースは「本体を守るため」というよりアナログスティックを守るために必要です。中華ゲーム機の破損報告で多いのは、カバンの中でスティックが押し込まれて折れる/ぐらつく、というパターンです。フラットな面しかない機種(Miyoo Mini Plus など)ならポーチで十分ですが、スティックが飛び出している機種は必ず厚みのあるケースに入れてください。
実寸を測ってから買う
汎用ケースを買うときは、本体の3辺の実寸とケースの内寸を比べます。外寸だけが書いてある商品は、内寸を問い合わせるか避けたほうが無難です。主要機種の実寸は次のとおりです。
| 機種 | 本体サイズ(公称値) | 重量 | 推奨するケース |
|---|---|---|---|
| AYN Odin 2 | 225 × 98 × 17 mm | 420g | 大型セミハード(内寸235mm以上) |
| Retroid Pocket 5 | 約210 × 102 mm クラス(グリップ部でさらに厚くなる) | — | 専用キャリングケースが公式で用意されている |
| Anbernic RG35XX H | 145 × 69 × 16 mm | 180g | 汎用の小型セミハード |
| Miyoo Mini Plus | 108 × 78.5 × 22.3 mm | 162g | ソフトポーチで可(スティックなし) |
Retroid Pocket 5 と AYN Odin 2 は公式ストアに専用キャリングケースが用意されています。サイズが合うか調べる手間を省きたいなら、多少高くても純正を買うのが結果的に早いです。
セミハードとソフトの使い分け
- セミハード(EVA素材の貝殻型):カバンに入れて持ち歩くなら、ほぼ一択。内側に仕切りがあるモデルを選ぶと、microSDや充電ケーブルもまとめて入ります。
- ソフトポーチ:家の中の移動と収納だけならこれで足りる。Miyoo Mini Plus のような凹凸の少ない機種向け。
- 本体装着型のグリップケース:長時間握るときの疲労は減るが、そのままではセミハードに収まらないことがある。両方使うつもりなら内寸に余裕を持たせる。
保護フィルム:貼る機種と貼らなくていい機種がある

保護フィルムは「必須」ではなく「あると快適」の分類です。判断基準はシンプルで、次のどちらかに当てはまるなら貼ってください。
- タッチ操作を使う機種(Androidを積んだ Retroid Pocket / Odin 系)
- カバンに入れて頻繁に持ち歩く(=鍵や小銭と接触する可能性がある)
逆に、机の上に置きっぱなしで使う運用や、タッチを一切使わないLinux軽量機なら、貼らなくても実害は出にくいです。Anbernic RG35XX H や Miyoo Mini Plus はOCA全面接着のIPSパネルを採用しており、そもそも表面はある程度しっかりしています。
「硬度9H」の意味を誤解しない
ガラスフィルムのパッケージによくある「硬度9H」は鉛筆硬度であって、モース硬度ではありません。モース硬度10はダイヤモンドですが、鉛筆硬度9Hをモース硬度に換算すると4〜5程度とされます。砂粒(石英)のモース硬度は7なので、9Hのフィルムでも砂には普通に傷がつきます。
見分け方は簡単で、数字にHが付いていれば鉛筆硬度、数字だけならモース硬度です。「ダイヤモンド級」といった広告表現は真に受けず、「無いよりは傷が入りにくくなる」程度に考えるのが正確です。
選ぶときの実用的なポイントは硬度よりも次の2点です。
- 2枚組など複数枚入りを選ぶ:貼りミスは必ず起きるので、予備があるほうが精神的に楽です。
- 機種名が明記されたサイズのものを選ぶ:カットが合わないフィルムは端が浮き、そこからホコリが入ります。
USB-C充電器:必要なワット数は機種で3倍近く違う

中華ゲーム機はACアダプターが同梱されていないことが多いので、手持ちの充電器で足りるかを確認しておく必要があります。ここを軽視すると「充電に一晩かかる」「遊びながらだと充電が減る」という事態になります。
| 機種 | バッテリー容量 | 公称の充電仕様 | 用意すべき充電器 |
|---|---|---|---|
| AYN Odin 2 | 8,000mAh | 65W Quick Charge 5.0(約2時間で満充電) | 65W級のUSB PD対応 |
| Retroid Pocket 5 | 5,000mAh | 27W急速充電(約2時間半で満充電) | 30W以上のUSB PD対応 |
| Anbernic RG35XX H | 3,300mAh | USB Type-C(急速充電非対応) | 5V/2A程度で十分 |
| Miyoo Mini Plus | 3,000mAh | USB Type-C(急速充電非対応) | 5V/2A程度で十分 |
ポイントは3つあります。
- 高性能Android機には、必ずUSB PD対応の充電器を用意する。 スマホ用の古い5W充電器では、遊びながらの充電に追いつきません。Odin 2 の65Wは、そのワット数を出せる充電器とケーブルの両方が揃って初めて出ます。
- ケーブルの対応ワット数も見る。 100W対応をうたうケーブルなら、まず問題は起きません。安価なケーブルには5V/2A(10W)までしか流せないものが混じっています。
- Linux軽量機に高出力充電器を使うのは、無駄ではあっても危険ではない。 USB PDは機器側が要求した電力しか流れないので、65Wの充電器でRG35XX Hを充電しても問題ありません。1つ良い充電器を買って共用するのが結局は安上がりです。
複数台持つ予定があるなら、USB-Cポートが2〜3口ある65W級のGaN充電器を1つ買っておくと、本体・スマホ・コントローラーをまとめて充電できます。
USB-C OTGハブ・映像出力:使う人だけ買えばいい

OTGハブは全員には不要です。次のいずれかをやりたい人だけ買ってください。
- 本体をテレビ・モニターに映して遊びたい
- 有線のUSBコントローラーを繋ぎたい
- USBメモリや外付けSSDからROMイメージを読み込ませたい
- 上記をやりながら同時に充電したい
選ぶ際の条件は「PDパススルー給電に対応していること」の一点に尽きます。これがないと、ハブを使っている間はバッテリーが減り続けます。映像出力を伴う用途では消費電力が大きいので、給電なしは実用になりません。
注意点として、映像出力の可否は本体側の仕様で決まります。Anbernic RG35XX H はmini HDMI端子を備えているため、ハブではなくmini HDMIケーブルで直結するのが正解です。AYN Odin 2 も micro HDMI を持っています。一方、Retroid Pocket 5 は USB-C からの映像出力に対応しているので、こちらはDisplayPort Alt Mode対応のハブが必要になります。自分の機種がどちらの方式かを確認してから買ってください。
有線/無線のコントローラー接続そのものについては、設定手順を含めて別記事にまとめてあります。

機種別の早見表と、買わなくていいもの

ここまでの内容を機種グループ別にまとめます。◎=必須、○=あると快適、△=用途次第、×=不要です。
| アイテム | Retroid Pocket 5 / AYN Odin 2 (Android高性能機) |
RG35XX H / Miyoo Mini Plus (Linux軽量機) |
|---|---|---|
| microSDカード | ◎ 256GB以上・A2推奨 | ◎ 64〜128GB・A1で十分 |
| ケース | ◎ セミハード(専用品が確実) | ◎ 小型セミハード〜ポーチ |
| USB-C充電器 | ◎ 30〜65W のPD対応 | ○ 5V/2Aで足りる |
| USB-Cケーブル | ◎ 60W以上対応 | △ 手持ちで可 |
| 保護フィルム | ○ タッチ操作するため効果あり | △ 持ち歩くなら |
| OTGハブ | △ 外部出力・USB機器を使うなら | × HDMI端子を直接使う |
| モバイルバッテリー | △ 手持ちで足りる | △ 手持ちで足りる |
| 冷却ファン | △ 高負荷が続くときのみ | × 発熱がほぼない |
買わなくていいもの
- 「ゲームが○万本入った」microSDカード:ROMの権利関係が担保されません。自分が持っている実機・実ソフトから吸い出したデータを使ってください。カードそのものの品質も不明なことが多く、実用面でも勧められません。
- 機種専用をうたう高価なモバイルバッテリー:USB-C/USB PDは共通規格なので、手持ちのバッテリーがそのまま使えます。
- 安価な冷却ファン(Linux軽量機向け):RG35XX H や Miyoo Mini Plus はSoCの消費電力が小さく、サーマルスロットリングがほとんど起きません。効果が体感できるのはAndroid高性能機で重いタイトルを長時間動かす場合に限られます。
買う順番
予算を分けるなら、①microSD → ②ケース → ③充電器 → ④その他の順です。microSDとケースは本体到着日から使うもので、充電器は手持ちで代用できる可能性があるためこの順になります。全部そろえても1万円前後で収まります。
本体の初期設定をまだ済ませていない場合は、こちらの手順を先に。


まとめ

中華ゲーム機の周辺機器で押さえるべき要点は5つです。
- 必須はmicroSD・ケース・充電器の3つだけ。 それ以外は必要になってから買えば間に合う。
- microSDのA2は、本体が対応していないと効かない。 Linux軽量機ならA1で十分で、その差額は容量に回したほうが体感が良い。
- ケースは実寸で選ぶ。 内寸が書かれていない商品は避け、スティックのある機種は必ず厚みのあるケースに入れる。
- 充電器のワット数は機種で3倍近く違う。 Odin 2は65W、Retroid Pocket 5は27Wが公称値。1つ良いPD充電器を買って共用するのが安上がり。
- 「硬度9H」は鉛筆硬度。 モース硬度換算では4〜5程度で、砂には傷がつく。過信しない。
本体を買った直後は「とりあえず全部そろえたい」という気持ちになりますが、実際に遊び始めてみると要らなかったものが必ず出ます。まず3つだけ買って、遊び方が固まってから足していくのが、結局いちばん無駄がありません。

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