「せっかくPCでレトロゲーム環境を整えたのに、起動するたびにマウス操作が必要で興ざめする…」
「PlayniteやLaunchBoxを使っているけれど、起動時に一瞬ウィンドウ枠が見えてしまうのがどうしても許せない」
あなたも、そんな「あと一歩の惜しさ」に悩んでいませんか?
理想のレトロゲーム環境とは、電源を入れた瞬間にゲームの世界へ没入できる、まるで実機のようなスムーズさのはずです。
実は、Mesen2に標準搭載されている「コマンドライン引数」をたった1行書き加えるだけで、その悩みは一瞬で解決します。
なぜなら、Mesen2は「ただのエミュレーターソフト」ではなく、外部からの命令によって挙動を自在にコントロールできる「プログラマブルな設計」がなされているからです。
私は、レトロゲーム互換機やエミュレーターの情報を長年発信し続け、自身のブログでも数々の環境構築ノウハウを公開してきた現役の愛好家です。
私自身も「起動時のロゴすら許せない」というこだわり派であり、試行錯誤の末にたどり着いた設定をこの記事に凝縮しました。
この記事では、「Mesen2を最強の専用ゲーム機に進化させるためのコマンドライン設定術」を徹底解説します。
難しい知識は一切不要。紹介するコードをコピペするだけでOKです。
この記事を読むと、以下のことができるようになります。
- クリック一発で「ロゴなし・フルスクリーン」の爆速起動ができるようになる
- PlayniteやLaunchBoxから、家庭用ゲーム機のようにシームレスにゲームを開始できる
- ゲームボーイやスーパーファミコンなど、機種ごとに画質や操作設定を自動で切り替えられる
結論から言うと、「コマンドライン引数」を使わないMesen2は、そのポテンシャルの半分も発揮できていません。
さあ、今すぐ設定を書き換えて、あなたのPCを「究極のレトロゲームマシン」へと進化させましょう。
1. そもそも「コマンドライン引数」とは?どうやって使うの?
「コマンドライン引数(ひきすう)」と聞くと、黒い画面に謎の文字をカタカタ打ち込む…そんな作業を想像して身構えていませんか? ここでやるのは難しくありません。やることは「起動設定に、短い“合言葉(引数)”を追記する」だけです。 たとえば、普通に起動するとMesenは通常モードで立ち上がります。 一方、起動時に /fullscreen のような引数を渡すと、Mesenは「全画面で起動してね」という指示として受け取ります。 注意:引数の書き方(/で始まるか、--で始まるか等)は、OSやバージョンで変わる場合があります。 記事どおりに効かないときは、Mesen本体側の「コマンドライン一覧(ヘルプ)」を参照し、表記を合わせてください。 使い方は大きく2パターンです。あなたの環境に合わせて選べばOKです。
使い方①:ショートカット派(デスクトップから起動する人)
デスクトップのショートカットからMesenを起動している場合は、次の手順で設定します。
- Mesenのショートカットアイコンを右クリックし、「プロパティ」を開きます。
- 「リンク先」欄を確認します。(例:
"C:\Games\Mesen\Mesen.exe"のように、最後が.exe"で終わっているはずです) - 閉じカッコの
"の外側に、半角スペースを1つ入れて、使いたい引数を追記します。
"C:\Games\Mesen\Mesen.exe" /fullscreenポイント:
- あなたの環境でのexe名・配置は異なってOKです。「.exeへのパス」+「半角スペース」+「引数」の形だけ守ってください。
- よくある失敗は、引用符の内側に引数を書いてしまうことです(例:
"...\Mesen.exe /fullscreen")。これは起動不能になりがちです。
保存は「OK」。 次回から、そのショートカットをダブルクリックするだけで指定した動作で起動します。元に戻すときは追記した文字を削除すればOKです。
使い方②:ランチャー派(Playnite・LaunchBoxを使う人)
PlayniteやLaunchBoxなどのフロントエンドを使っている場合は、エミュレーター設定にある「Arguments(引数)」「Parameters(パラメータ)」欄へ入力するだけです。 この方法の強みは、「ランチャー起動時だけ」特別な設定を適用できること。 検証するときは通常起動(ウィンドウ)、遊ぶときはランチャー(全画面)という使い分けが、設定の手動切替なしで成立します。 次章では、普段使いで効く“鉄板引数”をまとめて紹介します。
2. 【定番】普段使いで効くコマンドライン引数ベスト5
コマンドライン引数は種類がありますが、普通に遊ぶだけなら全部は不要です。 ここでは「これだけ入れておくと快適」という定番を5つに絞って紹介します。
記事どおりに動かない場合は、Mesenのヘルプにあるコマンドライン一覧で“正式な表記”を確認してください。
① /fullscreen(フルスクリーン起動)
【おすすめ度:★★★★★】
起動と同時にフルスクリーンで立ち上げます。ランチャー運用で「家庭用ゲーム機っぽい体験」を作るなら、採用率が高い引数です。
② /noSplash(スプラッシュ画面の無効化)
【おすすめ度:★★★★☆】
起動時に表示されるロゴ(スプラッシュ)を省略します。起動テンポが良くなり、“起動の儀式感”が減ります。
③ /test(直前のROMを自動ロード)
【おすすめ度:★★★☆☆】
最後に開いていたROMを起動時に自動で読み込みます。
RPGなどを毎日続きから遊ぶタイプの人には便利です。
※ランチャー側が毎回ROMパスを渡す運用の場合、効果が薄い(または不要)なこともあります。
④ /break(ポーズ状態で起動)
【おすすめ度:★★☆☆☆】
ゲーム読込直後に一時停止状態で待機します。スクリーンショット撮影や検証に向きます。 「オープニングの一瞬を撮りたいのに間に合わない」系の事故を減らせます。
⑤ /doNotSaveSettings(設定を保存しない)
【おすすめ度:★★☆☆☆】
その起動中に行った設定変更を、終了時に保存せず破棄します。
検証で設定をいじる日・展示用PC・人に貸す日など、“環境を汚したくない”ときに便利です。
【コピペ用】迷ったらこれ:軽くて快適な定番セット
/fullscreen /noSplashロゴなしで全画面起動するだけでも、「PCソフト感」はかなり薄くなります。
3. 【ランチャー連携】Playnite・LaunchBoxで「起動まで美しく」する設定例
① Playniteでの設定例
Playniteのエミュレーター設定で、Mesenの引数欄に追記します。
- Playniteメニューからエミュレーター設定を開き、Mesenを選びます。
- Arguments(引数)欄を探します。
- ROMパスを渡す変数(例:
{ImagePath})の後ろに、半角スペースで引数を追記します。
"{ImagePath}" /fullscreen /noSplash注意:
{ImagePath}はROMファイルの場所を指す変数です。これを消すと「Mesenは起動するがゲームが始まらない」状態になりやすいです。- 既に
{ImagePath}が別の形(引用符付き等)で入っている場合は、二重引用符にならないよう調整してください。
② LaunchBoxでの設定例
LaunchBoxは、エミュレーター管理画面で「デフォルトのコマンドラインパラメータ」に追記します。
- メニューの「ツール(Tools)」→「エミュレーターの管理(Manage Emulators)」を開きます。
- Mesenを選び「編集(Edit)」を開きます。
- 「デフォルトのコマンドラインパラメータ」欄に引数を入力します。
/fullscreen /noSplash補足: LaunchBoxがROMパスをどう渡すかは、エミュレーター設定の作り方で変わります。 この設定でゲームが起動しない場合は、「ROMパスを渡す設定(変数)」が正しく入っているかを見直してください。
【トラブルシューティング】画面が点滅する・挙動がおかしい時
引数を入れた途端に点滅やフォーカス外れが出た場合、原因として多いのは「二重設定」です。 ランチャー側のチェックボックス(例:フルスクリーン起動)と、引数の /fullscreen が同時に効いて競合することがあります。 この場合は、ランチャー側のチェックを切り、引数側で統一すると安定しやすいです。
4. 【上級者向け】システムごとに「設定(Config)」を使い分ける
Mesenはマルチシステム対応で、公式にも対応機種が列挙されています(NES/SNES/GB/GBA/PCE/SMS+GG/WonderSwan等)。 しかし、対応範囲が広いほど悩みも増えます。 「携帯機は雰囲気重視、据置機は高画質寄りにしたい」 「格ゲーだけ入力遅延対策の設定にしたい」 こういうとき、引数で読み込む設定ファイルを切り替える発想が効きます。
コマンド例:/config “設定ファイル名”
/config "settings_gb.json"注意: 設定ファイルの保存場所や、エクスポート機能の名称は環境差が出やすいポイントです。 手順は「例」として読み、実際の保存場所・メニュー名はあなたの環境に合わせてください。
具体例(Playniteで“別設定”を呼ぶ)
"{ImagePath}" /fullscreen /noSplash /config "settings_gb.json"5. 機能別・コマンドライン引数リファレンス【保存版】
「他にも便利なのない?」 「検証や解析に使えるのは?」 目的別に“探しやすく”まとめます(動かない場合は表記揺れの可能性があるため、Mesen側のコマンドライン一覧で確認してください)。
【カテゴリーA】起動・動作制御系
| コマンド | 機能と活用シーン |
|---|---|
/fullscreen |
フルスクリーン起動 起動と同時に全画面表示にします。 |
/noSplash |
ロゴ非表示 起動時のロゴ表示を省略します。 |
/oneInstance |
多重起動の防止 二重起動事故を防ぎたいときの候補。 |
/doNotSaveSettings |
設定保存の無効化 検証などで設定を汚したくないときに。 |
/config "ファイル名" |
設定ファイルの指定 用途別設定の切替に使います。 |
【カテゴリーB】デバッグ・開発・解析系
| コマンド | 機能と活用シーン |
|---|---|
/test |
最終ROMの自動ロード 同一タイトルの検証・周回に便利。 |
/break |
ポーズ状態で起動 開始直後を確実に止めたいときに。 |
/log |
ログ出力 トラブル時の診断に。 |
/trace |
トレースロガー起動 解析寄りの用途。 |
【カテゴリーC】その他・特殊用途
| コマンド | 機能と活用シーン |
|---|---|
/mute |
ミュート起動 深夜の起動確認などに。 |
/loadState X |
ステートロード 特定場面から練習したいときの候補(Xはスロット番号)。 |
6. コマンドが効かない!?よくあるミスと対処法
ミス①:コマンドの間に「半角スペース」がない
複数の引数は、間に必ず半角スペースが必要です。
/fullscreen/noSplash× 悪い例(全角スペースになっている)/fullscreen /noSplash
/fullscreen /noSplashミス②:Windowsショートカットで「引用符」の外に書けていない
スペースを含むパスは " " で囲う必要があります。 そして引数は、その外側に置きます。
"C:\Program Files\Mesen\Mesen.exe" /fullscreenミス③:引数の表記が環境と合っていない
OSやバージョン差で、引数の表記が変わる場合があります。 記事どおりに効かないときは、Mesen本体の「コマンドライン一覧(ヘルプ)」で“正式な表記”を確認してください。
まとめ:引数を使うと、Mesenは「起動が速い専用ゲーム機」になる
引数は、1行追記するだけで体験が変わります。 起動テンポが良くなり、ランチャー運用と相性が抜群です。
/fullscreen /noSplashそれでは、良きレトロゲームライフを! ――――――――――

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